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サラとリリ

"お昼の○HKニュースです。
今朝未明、渋谷区のホテル内で男性の変死体が発見されました。
男性は発見当時、衣類を身に付けておらず、特に目立った外傷はなかったとのことです。
また、現金などもそのまま残されていたとのことで、警察では身元の確認を急ぐとともに、事故と事件の両面から捜査するとのことです。"

「あーあ、やっぱり死んじゃったか…。」
私の名前はサラ。
いわゆるデリヘル嬢をしている。
今ニュースで流れてた男性は、私の昨夜の客だった。
そして、その死因に心当たりがあるから、ちょっと頭が痛い。
私がデリヘル嬢をしているのは、いろいろとその方が都合がいいからなんだけど、そこには誰にも言えない秘密があった。
私の秘密…それは、私は実は人間ではない、ということ。
私は夢魔・サキュバスの末裔。
一般的な伝承通り、人間の精を吸って生きる、人間の分類では下級悪魔。
ただ、悪魔と言うと人間に危害を加える悪しき存在みたいに聞こえるけど、実際には精を吸わせてくれるパートナーがいなければ生きていけない弱い存在。
だから、自らの意思でパートナーを困らせたり、危害を加えることはない。
むしろパートナーに対しては忠実だったりする。
なのに悪魔呼ばわりされるのは、性に対するタブー意識と、偶発的な事故が重なった結果なのだ。
サキュバスは女性の姿をしているので、自然とパートナーは男性が多くなる。
ところが、男性は性的なことに関して自制が効かなくなることが多々あるのだ。
ちょっと長くなるけど、先に私たちが生きるために必要な、精について話そう。
勘違いしてる人も少なくないけど、精というのは男性が出す白い物、精液のことじゃない。
人間が生きる上で必要としている「気」のことで、通常時は身体の内外で循環している。
これが、セックスなどで絶頂を迎えた時は、外に大量に放出されるのである。
もちろんこれは男性のみならず、女性も同じことで、一般的なセックスなら、放出された精をパートナーがいったん吸収し、パートナーの精と混ざり合ったのち再度放出されて、自分に戻るという循環をする。
良いセックスの後、幸福感や充実感を覚えるのは、このように愛する人のと混ざり合った精を吸収できるからなのだ。
ちなみに、オナニーでは放出された精を受け止める人がいないため、そのまま霧散してしまう。
終わった後の虚しさは、精が失われたことによるものだ。
そして、人間とサキュバスのセックスでは、人間が放出した精をサキュバスが完全に吸ってしまうため、人間に戻らない。
セックスしているのに、虚しさだけが残ってしまう。
そのままではパートナーに嫌われてしまい、精を吸わせて貰えなくなるのは明白なので、エッチな夢を見せ、記憶を操作することで、いい思い出に変えているのが実情。
サキュバスの身体を抱くことで得られる快感は、魔力のせいもあって人間の女性相手では絶対に得られないほどすごいから、後味さえ良ければまず手放されることはない。
ただ、あまりに気持ち良すぎて、たまに限界を超えて精を放出してしまうことがあって、こうなるとパートナーが生命を維持できずに死んでしまう事故が発生してしまうのである。
ほとんどの場合、死因は心臓麻痺。
腹上死の実情は、こういうことなのだ。
もちろん限界を越えないように自制さえしてくれれば、減った精は時間をかけて産み出されるから、何度関係を持ったからといって命に別条はないのだけど。
「昨日の人、めちゃくちゃよがってたもんなあ。相性が良すぎたというか…。私の身体が気持ちいいって自分ではどうにもならないから、相手任せなのが難点なのよね。」
そう、ニュースで言ってた事故は、男性が気持ちよくなり過ぎて、自身の精を放出しきってしまったことによるもの。
決して私の意思ではない…んだけど、思いきりヘコんでいるのも事実。
実は、ニュースにこそなっていないけど、そう離れていない時期に、もう1人死なせているのだ。
この時は、男性は新宿区のビジネスホテルを使っていて、部屋は1人用だったから、病死と判断されたのだった。
しかし今回はブティックホテルだったから、そもそも1人で、というのが怪しすぎる。
ニュースでも言ってた通り、当然事件として扱われることになる。
デリヘルの受付の人の記憶は操作してあるから、すぐに私が疑われることはないだろうけど。
立て続けに相手を死なせてしまったのには、一応理由はあった。
私の身体が成熟して、パートナーが得られる快感がぐんと増したせいだ。
相手が自制してくれたら、こんな事故にはならないんだけど、デリヘル遊びということではりきりすぎるんだろう。
お金払う以上、とことん気持ちよくなりたいよね…。
これ以上デリヘル嬢を続けていたら、事故死する人が増えてしまう。
そう思った私はこれを期に、デリヘル嬢を辞めた。

それから1ヶ月あまりが過ぎた。
あれ以降、誰の精も吸っていなかったから、さすがに限界だった。
適当に繁華街で逆ナンでもすれば、一夜のパートナーくらいは見つけられるだろうけど、それではデリヘル嬢の時と変わらない。
それに今の私だとお腹が空きすぎて、私の方が自制できないかも。
なぜこうなったかと言えば、特定のパートナー作りに失敗しただけなんだけど。
特定のパートナーなら、1回1回のセックスでがっつく必要はない。
それだけ自制が効くはずなんだけど、それって普通に男女が恋人を作るのに他ならないわけで。
私の身体目当ての、いわゆる遊びのために近寄ってくる人はいたけど、それを断り続けた結果がこれである。
成熟したサキュバスが出すフェロモンは、人間の男性を狼にしてしまう効果があるんだろうか。
これも悪魔と呼ばれる理由なんだろうな。
かと言って、本当に悪魔のように割り切ることは、私にはできなかった。
「このまま死んでいくのもいいかな。事故とはいえ、私が死なせてしまった人たちに、謝りに行かないとだし。」
ふらふらと歩き続けて、私は江戸川の土手に出ていた。
歩く力もなくなり、そこに座り込む私。
そのままでいれば、私は人知れず消えるだろう。
今まで私が接した人たちの記憶からも、その瞬間に消える。
夢魔の最期は、夢としても記憶に残らないのである。
「大丈夫?」
どれだけの時間が経ったのだろうか。
陽は傾き、辺りも暗くなり始めていた頃、私は不意に声をかけられた。
声からすると、相手は若い女性だ。
「ん、大丈夫…。ちょっとお腹減ってるだけだから。」
すでに力を失いかけてる私は、たぶんよけいな事を言った。
「それ、全然大丈夫じゃないです。えと、これでよければ、食べてください。」
少しだけ顔を上げて、横目で見る。
その少女は、お弁当として持ち歩いていただろうおにぎりを、私に差し出していた。
「ありがとう。でもそういうのじゃ、意味ないんだ…。」
「足りないですか?それじゃ、私の家に来て。急いで何か作るし。」
「別にいいから。放っておいて。」
「そういうわけにもいかないです。えっと…。」
突然少女は大きな声を出して、人を集め始める。
私が動こうとしないなら、無理やりでも連れていくつもりかも。
「や、わかった、わかったから。まだ少しなら歩けるよ。」
人が増えるのは正直困る。
それだけ事故が発生する可能性が増えてしまうから。
仕方ないので、最後の力でその少女についていった。

少女の家は、土手沿いに立つ小さな一軒家だった。
ただ、他に住んでる人はいないのか、生活感は薄い。
いくつかある部屋も、多くは使っていないようだった。
「埃っぽくてごめんなさい。すぐ用意しますね。」
「本当に気を使わないで。えと…。」
「あ、私、リリって言います。あなたは?」
「私はサラ。リリ、ありがとう。」
少女はリリと言うのか。
たぶん、私が世話になる最後の人間になるだろうから。
すぐに忘れ去られるとしても、お礼だけは言っておきたくて。
「お礼は、食べてから言ってください。それと、私は忘れたりしませんから、安心して。」
「う、うん…?」
なんだ?
まるで私の考えてる事を読み取ったかのようなことをリリは言った。
私はびっくりして、警戒する。
とは言っても、空腹の限界を過ぎて、何かすることなんてできない。
この分だと、あと数時間もしないうちに私は消えるんだろう。
そうこうしてるうちに、リリが戻ってきた。
「お待たせしました。食事の用意ができたから、こちらへどうぞ。」
リリはそう言って、私の手を引いていく。
その行く先は、食卓ではなく…。
「え、どうして?」
そこは、1つの布団が敷かれている寝室だった。
「だって、食べないとサラさん死んじゃうもん。だから、食べてください。…私を。」
「な、ぜ…。」
リリは私の正体を知ってる?
でも私の問いかけにリリは答えなかった。
リリは上に着ていたものを脱ぎ捨てる。
出てきたのは、かなりセクシーなランジェリー姿。
全体にシースルーの生地でできたランジェリーは、リリの身体を美しく引き立てていた。
パンティー越しに透けて見える恥丘には陰毛はなく、本当に子供のようなマン筋が見えるし、ブラジャー越しに透けて見えるおっぱいは控えめに膨らんでいて。
身体つきとランジェリーのセクシーがあまりにアンマッチで、私はさらに困惑する。
なにより、サキュバスである私の方が誘惑されるとか。
正体を知られてること以上に、そのことがびっくり。
限度を超えた空腹感と、リリの思わぬ誘惑で、私はとうとう抑えきれなくなる。
自分の着ていた服を乱暴に脱ぎ捨てて、リリを押し倒していった。

精は男女問わず放出するので、別にサキュバスのパートナーは男性である必要はない。
でもこのシチュエーションは私にとって初めてだった。
それまでは男性のリードに任せて抱かれ、自分の身体で気持ちよくなってもらって、というのがパターン。
でも今は、私がリリをリードし、積極的に感じさせている。
私の遺伝子に刻まれた性の知識で、初めてでも戸惑うことなく進められてるけど、内心はどうなることかとドキドキしっぱなし。
リリの身体はすごく敏感で、ブラジャーの上から乳首を舐めても恥ずかしそうにヨガリ声を上げるし、パンティー越しにあそこを撫でると、すでに糸を引くほど指を濡らす。
男性と違い、快感カーブが緩やかな分、いかせるのには時間はかかるけど、絶頂を迎える前からリリの身体からは精が漏れはじめ、私の空腹を少しずつ満たしていく。
そのおかげで、目的を果たす前に消滅、なんて憂き目は逃れられたし、空腹感が薄れればいろいろ自制もできるようになる。
私はリリをいかせ過ぎて死なせないように、常にリリの様子に注意した。
愛撫を始めて1時間ほどか、ようやくリリが1回目の絶頂を迎える。
その量は、男性のそれより少なかったけど、興奮も冷めないうちにリリの方からおねだりしてくる。
「大丈夫だから、もう1回…。」
リリの誘惑に、どうしてか勝つことができなかった。
キスを繰り返し、さらにリリの性感帯を責める。
消退期が短く、ほとんど冷めないから、2回目はあっという間だった。
そして放出される精。
3回目、4回目…。
毎回ほとんど変わらず放出される精に、私はお腹がいっぱいになった。
男性にこんなことをさせたら危険なんだけど、リリはまだまだいけるとばかり私を誘惑し続ける。
「リリ、ありがとう。もうお腹いっぱい。」
「はん…。じゃ、次はサラが気持ちよくなって。」
「あ…。」
突然リリが体勢を入れ替えて、私の上に乗る。
そして私の顔に跨って自身のあそこを私の口元に押し当てると、リリも私の股間に顔を埋めてきた。
シックスナインの体勢で舐め合ってるうちに、私の中にも快感が湧き起こってくる。
男性だと私の身体の誘惑に負けて、すぐにフィニッシュになるのに、同じ女性だからか、リリは徹底的に私を感じさせることに徹していた。
それでもすごい興奮してるのは、私の顔がびしょ濡れになるからよくわかる。
敏感な突起に舌を這わせれば、その度に小さく絶頂を迎えるくらい感じっぱなしだ。
でもリリの舌も止まらない。
さらには指でまで責められて、私は生まれて初めての衝動に身を任せたくなる。
そして…。
「ああっ、リリ、私、いっちゃうっ…。」
「サラ、サラ…。私もお…。」
私とリリは、同時に深い絶頂を迎えた。

リリがくれた精をお腹いっぱい吸って、私はすっかり元気になった。
一方、リリもこれだけ大量の精を放出しておきながら、まだまだ元気な様子。
もっともっとと求めてくるのは、終わった時の充実感が得られないからなんだろう。
私はリリを抱きしめ、お得意の夢を見せようとした。
「あ、大丈夫、だから…。それに、私、夢は見ないの。」
「リリ…。あなたはいったい?」
「私は、人間、だよ。ただ…呪われた、だけど。」
「呪われた?」
「うん…。」
それ以上は、リリは話してくれなかった。
何もかも謎な少女、リリ。
私がサキュバスであることを見破り、サキュバスの私を逆に誘惑する力を持った、不思議な少女。
私は、生まれて初めて、怖いと感じていた。
でも同時に私は、リリと離れたくない、とまで思っていた。

かくして、私とリリの共同生活は始まった。
まずリリの家は、最初に思った通りリリ以外に住人はいない。
そして、家自体もかなり古く、使ってない部屋のいくつかは、使えない部屋でもあった。
リリの暮らし自体は決して裕福ではなく、家の修繕までは手が回りそうにない。
まあ、1人分の食費にはさすがに困らないのだけど。
私も一緒に住む以上は、恩は返さないといけない。
増して私の食事はリリ自身であり、文字通り身を削って食べさせてくれているんだから。
私はデリヘル嬢のお仕事を再開した。
お腹はいつもリリがいっぱいにしてくれるから、私は仕事ではサービスに徹する。
やや過剰かもしれないサービスと、妖しいほどに魅惑的な身体、そして得られる超快感。
口づてに噂は広がり、サキュバスの本領発揮であっという間に指名数トップに返り咲いた。
男性が暴走しかけた時は、早々に淫夢に引き込んで、夢の中で犯す。
必要以上に精を放出させず、でも夢の中での経験は私を再指名したくなる記憶として刻まれる。
中にはその夢を思い出しただけで暴発させてしまった男性もいた。
偶然お相手した客の中に、家の修繕をする業者がいて、私を何回か無料で抱かせる代わりに、超格安でリリの家の修理をしてもらった。
リリは気まずそうにしたけど、誰も不幸にならないので、いいことにしてもらう。
稼いで余ったお金はリリの家に入れ、生活の足しにしてもらおうとしたけど、リリはせいぜい、夜用のランジェリーや、おもちゃを少し買ったくらいで、生活に大きな変化はなかった。
「これはサラのお金なんだから、サラのためだけに使うね。」と。

リリの正体は、相変わらず謎なままだった。
知ったからどうということもないので、無理に聞き出すこともしなかったけど。
それでも、少しずつ見えてきたものもあった。
まず、リリは見かけとは裏腹に、すごい長く生きているということ。
とにかく知識量が半端ない。
特に歴史的な知識は、そこいらの本などより詳しかった。
サキュバスの存在も、おそらく自分自身の経験として、知識を持っていたんだろう。
関わった人の数も当然桁違いで、私の考えることを先回りして読むのもたぶん経験の成せる技なんだ。
このことから浮かぶのが、リリが言った呪いの正体。
十中八九、それは不老不死だ。
おとぎ話において、かつて時の帝が憧れ、手に入れようと躍起になったと言われる不老不死。
しかしその実態は、周りが老いて死んでいく中、老いることも死ぬことも許されず、その全てを背負わされる呪いなのだ。
不老不死を現実にしているのが、おそらくリリの無限とも思われるほどの精の湧き出しだろう。
私がどんなに吸っても吸いきれないくらい湧き溢れるリリの精は、リリの身体を常に若くし、生き永らえさせるだけの力があった。
リリがなんのために私を家に導き入れたのか。
それはリリ本人に聞かないとわからないけど、今の関係は2人にとってお互いメリットしかない。
私は何の心配をすることもなく、お腹いっぱい精を吸える。
この状態なら、サキュバスの身体も不死身で、リリの長すぎる人生にそれなりに付き合うことができるはず。
つまりリリにとっては、死に別れという悲しい思い出を、できるだけ経験せずに済む…のかも。

一方、夜の生活は瞬く間にエスカレートした。
なにより、私の身体が徹底して開発されてしまった。
ほとんどの相手にはまず負けることのないサキュバスの身体と魔力も、リリには通用しない。
逆に誘惑され、感じさせられ、何度も絶頂を迎えさせられる。
リリの膨大な経験の前には、私程度の夢魔なんて赤ちゃんみたいなものなのだ。
ただ、そのおかげで知ったこともあった。
お腹いっぱいで吸えない状態なら、人間とサキュバスのセックスでも、人間のパートナーに充実感や幸福感を感じさせることができる、ということを。
サキュバスの私が自分の精を放出することはできないけど、それでも私に触れた精は、リリのオリジナルとは少し変わるらしい。
それをそのままリリが再吸収すると、リリはすごく喜ぶのだ。
何もしないでいると霧散してしまうけど、吸えなくても留めることはできたので、そうやってリリを喜ばせるようになった。
夢魔の力が通用しなくても、これならリリを喜ばせることができるから、私にとってもすごく嬉しかった。
そんなわけで、私もリリもすっかり夢中になり、気が付くと丸1日セックスしていた日もあったくらい。
「サラ、今ので200回目、だよ。」
「そういうリリは、300回とかいってるし…。」
お腹の奥がすごく熱く、気持ちいい。
ずっとそんな状態で、何をされても身体の芯から快感が湧き起こっていっちゃう。
だからそんな時は、ずっと抱き合い、キスをしていた。
そして、そんな時間が永遠に続くと、私たちは疑わなかった。

ある日。
いつものように布団の中で抱き合うと、リリの身体が熱かった。
「ん?リリ、ちょっと熱でもある?」
「うん、そうかも…。」
風邪なんてほとんどひかないリリだけど、ごくごくたまに体調を崩すことはある。
病は気から、と言う通り、リリが辛い思いをした時に、そうなりやすかった。
立ち直りさえすれば、無限の生命力が病気を治してしまうから、看病としてはリリの心を癒すようにする。
そっと抱きしめ、いっぱいキスの雨を降らし、私のことだけを考えさせる。
今回ももちろん、そうしようとした。
「サラ、ごめん。今日だけは…。」
「あ…。うん、わかった。ごめんね。」
こんなリリは初めてかも。
でも無理強いはできない。
私はそっと添い寝するくらいに留めて、リリを見守った。
翌日になってもリリの顔色は良くなかった。
一応医者に行くことを勧めるも、普通の薬は一切意味がないから、という。
とは言われても、私は心配で仕方なかった。
もしリリに何かがあったら、私は生きていけない。
文字通りそうなんだけど、気持ち的にリリのいない生活なんて、もう考えられなかった。
それから1週間が経っても、リリの具合は良くならなかった。
その間、リリの精を吸うのを遠慮していたから、私も少しお腹が減ってきている。
1ヶ月は我慢できるけど、今の問題はそういうことじゃない。
リリの身体から溢れる精が、明らかに減っていたのだ。
「リリ、どうしたの?何かあったの?」
「サラ、私にもわからないの。呪いを受けてから、こんなの初めてなんだもん。」
リリが見せる、初めての恐怖の表情。
私はますますいてもたってもいられなくなった。
どういう理由かはわからないけど、リリの不老不死の呪いが解けようとしていた。
そうとしか考えられない。
その考えはリリも同じだった。
そしてさらに1週間が経った日のこと。
「サラ…。私を食べて。」
「リリ、だめだよ。今そんなことしたら、リリが…。」
「ううん、それでいいの。ようやく、私は、呪いから解放されるんだ。やっと、その時が来たんだって…。わかったの。」
「嫌だよ、リリ。今はまだ…嫌だよ…。」
「そう、言わないで。私、ずっと、ずっと、何百年も、この日を待ってた気がする。そしてやっと来たんだもん。お願いだから、このまま…。」
「嫌だよう…。」
「私を食べて。そしたら私は、今度はあなたの中で生き続けられるから。」
「嫌…。リリがいなくちゃ…。」
「ひとつだけ、謝らなくちゃいけないことが、あるの。私がサラに近づいた理由…。」
「聞きたくないっ。そして謝ってほしくない。私はリリと一緒に暮らせるのが幸せなの。リリにこんなに感じやすい身体にしてもらえたのが嬉しいの。リリと一緒に生きていけないなら、私も今死ぬ。」
「だめだよ、サラ。あなたはもう少しだけ生きて。私がこの呪いを受けてまで、後世に繋げたかった想いを…今度はあなたに繋いでほしいの。私みたいに未来永劫にまで伝えろなんて言わないけど。誰かに、繋いでほしい。その誰かが、また別の誰かに繋いで…。結果的に、ずっと繋がるように。」
「リリ…。」

そしてリリから初めて聞く、リリの過去。
リリが産まれたのは、まだ戦乱の世の中だった。
産まれ持った美貌と、豊かな知恵を併せ持ったリリは、それはみんなから愛されたらしい。
年頃にもなれば、遠くから求婚に来た者もいた。
しかし時代は冷酷だった。
明日も見えない世の中で、権力あるものは自身の命の永劫不滅を願った。
そう、私が知っていた「おとぎ話」は、実話だったのだ。
不老不死を巡って新たな殺し合いが生まれる。
それを憂いたリリは、永遠の平和を願って、他の人達が争っている隙に不老不死を奪ったのだと。
不老不死を得られるのはただ1人だけ。
逆上した者はリリを斬りかかったが、普通の武具ではリリを殺すことはかなわない。
逆にリリの返り血を浴びたその者は、その場で一瞬にして朽ちる。
こうして、リリは全ての人から恐れられ、遠ざけられる存在へと変わってしまった。
悪魔と呼ばれ、恐怖の的として貶められ、遠ざけられ、数百年…。
リリ自身が身を潜めていたこともあって、ようやく世の中から悪夢は風化していった。
長い争いの末に生まれた、わずかな平安な時。
リリは天戸を開いて人里へ降りる。
リリの美貌と知恵は、この時代でももてはやされた。
数いた権力者の求婚を悉く断り、平凡な町民と結婚するリリ。
結婚相手は当然嫉妬の対象となったが、リリの知恵が商売の大成功という形で彼を守った。
しかし、時は移ろい、厳しい現実がリリを直撃する。
彼は老い、弱り、死の床につく。
しかしリリの姿は若い頃のまま。
リリはまたしても悪魔の烙印を押され、身を隠すことになる。
そして時代はさらに進んで、再び訪れる戦乱の世の中。
しかもそれは、戦乱が地球全体を巻き込んだ、狂気に満ちた時代だった。
リリは悪魔と罵られることを覚悟の上で、平和の大切さを説いてまわる。
何人かの協調者も現れ、部分的な平和が生まれたこともあった。
でも時代はやはり非情だった。
リリの力を嗅ぎつけた狂気の一味が、リリ達を襲う。
一緒にいた者は全員殺され、リリだけが生き残る。
しかしリリの血を生物兵器にしようとした科学者たちは、悉くその研究に失敗し、逆切れして殺そうとして逆に命を落としていく。
このように、リリ自身が望んだ望まないにかかわらず、リリの目の前で数多の人が死んでいったのだ。
その数は、数千、数万にもなる。
そう、リリの生涯は、周りの者の死が溢れすぎていたのだった。
例え夢を見ても、それは悪夢にしかならない。
リリは夢すら見ることができなくなる。
だから、夢魔である私の力も効かないくらい、リリは夢を見ることを拒んだのだった。

「私が死んだら、別の誰かが不老不死になる可能性があるの。つまりそれは、新しい戦乱の世の中を産みかねない。だから、不老不死なんてろくなものじゃないこと、そして平和な世の中で、愛する人に看取られながら死ねることの素晴らしさを…どうか伝えて。平和の大切さを、どうか伝えて…。」
「リリ…。」
「そして、私の最後のわがまま。大好きなサラに食べられて、私は死にたい。あなたの中でなら、私は本当に幸せに生きられるから。」
「…。わかった。リリ。あなたに残った精、全部私に頂戴。リリの想いと一緒に。」
私はリリの服を全部脱がせ、自分も裸になると、ゆっくりと肌を合わせていった。
そして、全身にキスをしながら、リリに快感を注ぎ込んでいく。
リリの敏感な身体は、その全てに可愛らしく反応し、大量のお汁を溢れさせる。
私は指でわざと音を立てて、リリを恥ずかしがらせた。
いつもよりゆっくり、焦らすようにリリの快感を持ち上げる。
いきそうになるとわざと愛撫をやめて、いじわるをする。
リリのエッチな表情は、絶対一生忘れない。
サキュバスの私を誘惑するほど、魅惑的なリリの表情…。
いつも1時間くらいかける前戯を、たっぷり3時間かけた。
寸止めを繰り返されて、さすがにリリも我慢の限界だった。
「お願い、もう、いかせて…。サラと、ひとつになりたい…。」
それを聞いて、私はリリの身体を包み込むように抱いた。
「リリ…。私からもひとつだけわがまま言わせて。私の夢を…見て欲しい。私の全てを、受け入れて。」
「サラ、わかった。あなたの夢、見たい。あなたの夢、見せて。」
私は、サキュバスの力を振り絞って、リリにある夢を見せる。
サキュバスの見せる夢は、例外なく淫夢だ。
でも、リリに見せた夢はすごく意味のある、私にとって大切なメッセージだった。
そしてその夢がクライマックスを迎える頃、私は全魔力と全テクニックを使って、リリに最高の絶頂を味わわせた。

リリが全身から放出した精を、少しも残さず吸い尽くす。
あれだけ吸っても吸っても吸いきれなかったリリの精も、今はお腹半分くらいにしかならなかった。
でも、この時のリリの精の味を、私は忘れることはない。
こんなにも幸せで、こんなにも悲しい味の精は、もう二度と感じることはないだろう。
そしてリリは、満面の笑みを浮かべ、最高に幸せそうな表情のまま…。

数年後。
私は世界平和を謳って、世界各国を飛び回っていた。
サキュバスのフェロモンは、行く先々で人々を魅了し、同調者を増やしていった。
エロは世界を救う、なんて言う人もいるけど、それを真面目に実践していた。
リリと最後のセックスをして以降、実は私は誰の精も吸っていない。
どうやら不老不死の呪いを引き受けたのは、私自身っぽかった。
「ま、元々人間じゃないし。こうなる前から悪魔呼ばわりされる存在だし。」
この先、リリが受けただろう迫害が私を襲うことは、もう覚悟していた。
でも、どんなことになっても私は1人じゃない。
私の中にはリリが生きていて、リリが私に精を与え続けてくれている。
そう感じていた。
私とリリの2人なら、どんな困難にも勝てる。
リリは嫌な顔をするかもしれないけど、サキュバスの力もますます充実して、ほとんどの人を魅了できるし。
世界でもっとも危険なテロ国家と呼ばれた某国に潜入し、最高指導者を魅了して完全武装解除させた時は、文字通り世界中に驚きの声が響いたものだった。
「多少強引だったけどね。結局人間、誰でも気持ちいいエッチはしたいのよ。」
気を付けないと、テロ国家改め、エロ国家になりそうなのだけど。
エロが世界を救い、本当に局地的な争いを除いて全世界が平和になりつつあるのを見届けて、私は表舞台から姿を消した。

「リリ、見えるよね?あなたが夢見て、作り上げたかった世界が。争いがないって素敵。愛する人だけ見ていればいいんだもん。だから、これからは私、あなたをずっと見てる。」
リリの家で、リリが生前使っていたおもちゃで、私はオナニーをしていた。
リリの精が染み付いてるのか、使っていてすごく幸せになれたし、懐かしいリリの味がした。
これで絶頂を迎える瞬間、リリの存在を強く感じられるので、やめられなくなっていたのだった。
「ああん、リリ、そこ…。もう、いっちゃうっ。」
お腹の奥がキュンとなる。
精を産み出せないから放出することもないけど、この瞬間だけは、お腹の奥底で精が湧き出すような感覚を覚えた。
そしてその感覚こそ、リリの存在そのものだった。
ただ、この日のオナニーは、いつもと少しだけ違った。
絶頂を迎えた後、いつまでもお腹の奥が熱いまま。
決して痛いわけでもなく、不快感はない。
むしろ幸せみたいな、そういう感覚。
何気なく私は自分のお腹を撫でていた。
しばらくそうしていてようやく、ふと我に返る私。
「あ…。」
それはあの日、リリに見せた夢と同じ光景だった。
私の夢、愛するリリと紡ぎたかった夢。
それが、今…。

翌月、私はひっそりと、1人の女の子を出産した。
サキュバスはその魔力の影響で、第二次性徴を迎えるまでは人間の子供の10倍の速度で成長する。
サキュバスが身籠るのは必ずしもサキュバスとは限らず、普通の人間のこともあるが、その場合でも成長速度は10倍になってしまうので、第二次性徴を迎えるまでは他の子と一緒に育てられないのである。
そしてさらに1年半が経って…。
「リリ、もうすっかりレディーだね。」
「お母さん、ありがと。学校、どんな人がいるのかな?」
「うーん、それは行ってのお楽しみかな。リリはすごい美人なんだから、男の子にモテモテだよ。」
「えーっ。私はお母さんがいればいいよう。」
「そう言ってくれるのは嬉しいけどね。」
私の愛する人の名前、リリと名付けたその子は、実際リリの生まれ変わりって思うくらい、彼女に瓜二つだった。
彼女の精が私を身篭らせ、産まれた結果なのだから、当然と言えば当然だろう。
そして、リリは普通の人間の女の子である。
「リリがサキュバスに産まれなくてよかったよ…。」
「私はお母さんと一緒がよかったな。」
「絶対苦労するからダメ。」
リリに出会う前の自分を思い出して言う。
「ちぇ、つまんない。ま、いいや。ねえ、お母さん…。しよ?」
リリが頬っぺたを膨らませてから、私を覗き込んで誘い始める。
サキュバスの私を誘惑するところまで、彼女と同じだ。
そしてその誘惑に勝てない私…。
「娘とエッチしちゃうなんてえ…。あん…。」
気持ちいい所を舐め合い、同時に絶頂を迎える。
リリの精は、やっぱり彼女と同じ味がした。
もちろん、吸う必要はないから、それを留めてリリに返す。
「お母さんとすると、すごい幸せなの。きっとお母さんとこうするために、私は産まれて来たんだよ。」
思わずキュンとなる。
彼女の生まれ変わり…。
もし本当に本当にそうなら、私はずっとこの子と過ごしたい…。
「いやいやいや、かっこいいボーイフレンド、見つけて紹介して。」
「一緒に食べるの?」
「あん…って、リリっ…。」
リリにはやっぱり私は勝てない。
でもそんな風に振り回されるのが、幸せで仕方なかった。

「サラ、これからも、ずっと、一緒だよ。大好き。」
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